モールス(Let Me In)

モールス(Let Me In)
OvertureFilms/Photofest/ゲッティイメージズ

雪に閉ざされた町。隣に越してきた裸足の少女。残酷な連続猟奇殺人。僕たちだけの秘密の合図。アビー、君はいったい何ものなの?

おすすめ度
4.5
感動する度
4
心に残る度
4.5

映画モールス(Let Me In)の予告動画

映画モールス(Let Me In)の概要

『モールス(Let Me In)』は、スウェーデンの映画『ぼくのエリ 200歳の少女(Let the Right One In)』を原作としたアメリカのホラー映画で、2010年に公開されました。
物語の舞台は、1980年代のアメリカのニューメキシコ州です。主人公のオーウェンは、いじめられっ子であり、孤独な生活を送っていました。ある日、彼は自分の家の近くで、謎の少女アビーと出会います。彼女は実は吸血鬼であり、オーウェンと深い絆を築いていくことになります。
この映画は、愛と孤独、そして吸血鬼という要素を取り入れた、独特の雰囲気を持った作品です。また、スウェーデンの原作小説や同じくスウェーデンで制作された映画版と同様に、美しい映像美や、演技のクオリティーが高く評価されています。ホラー要素があるものの、恋愛物語としての要素も強く、幅広い観客に楽しめる作品となっています。

映画モールス(Let Me In)のストーリー(あらすじ)

舞台はアメリカのニューメキシコ州にある雪に閉ざされたとある田舎町。
1983年3月、ロス・アラモスで50代半ばの男性が全身に大やけどを負った状態で救急車に搬送されていた。
火傷は高濃度の酸を浴びたことによるものだった。
顔面は原型を留めておらず、身元の分かるものはなかった。
その男は犯罪に関与した疑いがあった。
病院に運ばれ刑事(イライアス・コティーズ)が面会に来たが容態はひどく、人工呼吸器が取り付けられた状態で口を聞くことも出来ない状態だった。
刑事は筆談用にベッドの横に目元ペンを置き、その男に話しかけた。

刑事『あんたの身元は?調べれば分かるが、教えてくれたら手間が省ける。悪魔崇拝者か?カルト集団の一員か?仲間がいるなら一人残らず捕まえる。』

刑事の元に内線が入り、そのまま受付に向かった。
そして、内線の相手の看護師と話をしていると先程刑事がいた病室から看護師の叫び声が聞こえた。
駆けつけてみると病室の窓が開いていた。
そして、窓から下を除くと先程まで重症の状態でベッドに横たわっていた男が血まみれで雪の中に倒れていた。
刑事がベッドの横に置いたメモには『すまない、アビー。』とだけ書かれていた…。
男は死んだ。

事件の2週間前、オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は自宅のあるアパートの外にあるジャングルジムの上に座り一人で遊んでいた。
12歳のオーウェンは母親と2人でアパートで暮らしていた。
両親は離婚調停で父親とは別々に暮らしていた。

モールス(Let Me In)
© 2010 Fish Head Productions, LLC. All Rights Reserved.

オーウェンは友達も居らず、学校では同級生からいじめを受けていた。
そんなオーウェンの趣味は天体望遠鏡を使って民家を覗くことだった。
望遠鏡からは様々な世界を目にすることが出来た。

モールス(Let Me In)
© 2010 Fish Head Productions, LLC. All Rights Reserved.

ある日、オーウェンの隣に女の子が引っ越して来た。
その女の子は何故か雪の積もった地面を裸足で歩いていた。
オーウェンはその女の子に興味を抱いた。

学校に行くと同級生にものを投げつけられたり、暴力を振るわれたりした。

モールス(Let Me In)
© 2010 Fish Head Productions, LLC. All Rights Reserved.

ある時、学校から帰宅して家の外でいじめっ子にされたことの鬱憤を晴らしていると、女の子が話しかけて来た。
オーウェンに話しかけた女の子は最近オーウェンの隣に引っ越して来た気になる女の子だった。

女の子『何してるの?』
オーウェン『何も。君は?』
女の子『何も。』
オーウェン『越して来たでしょ?同じ階?』
女の子『なぜそれを?』
オーウェン『うちは隣だよ。』
女の子『言っておくけど、友達にはなれない。』
オーウェン『なぜ?』
女の子『なぜでもよ。』
オーウェン『(僕が)友達になりたいといった?』

女の子は返事もせず自宅に戻っていった。

ある日オーウェンの通う学校に刑事がやって来た。
前日にオーウェンの通う学校の卒業生が殺害され、その聞き取り調査の為だった。

その日の夜、オーウェンがいつものようにアパートの前のジャングルジムで遊んでいると、“あの女の子”がやって来た。
その日もその女の子は雪の上を裸足で歩いていた。
女の子『寒さを感じないの。』
そして、近くによるとその女の子からは変な臭いがした。

女の子はオーウェンの持っていたルービック・キューブに興味を示した。
オーウェンは『明日返して。』といって女の子にルービック・キューブを渡した。
そしてオーウェンは『それじゃまた明日。』と言って女の子と別れた。

夜が更けるとオーウェンの隣に住む女の子の部屋からは争うような声や激しい物音が聞こえて来た。
そして、女の子の父は夜な夜などこかに出かけていった。

モールス(Let Me In)
© 2010 Fish Head Productions, LLC. All Rights Reserved.

次の朝、オーウェンが外に出るとジャングルジムの上にオーウェンが女の子に貸したルービック・キューブが置かれていた。
そして、そのルービック・キューブは見事に絵柄が揃って完成された状態だった。

その日の夜、オーウェンが学校に戻ると自宅の前のジャングルジムに女の子が座っていた。
その日、女の子は靴を履いていた。
そして昨日のような嫌な臭いもしなくなっていた。

オーウェンはルービック・キューブを見せて女の子に『どうやったの?』と問いかけた。
すると女の子は『回しただけ。』と答えた。

モールス(Let Me In)
© 2010 Fish Head Productions, LLC. All Rights Reserved.

その日、オーウェンは女の子に名前を聞いた。
女の子は『アビー。』と答えた。
続けて年齢を聞くとアビーは『12歳くらい。』と答えた。
女の子は自身の誕生日を知らなかったのだ。

オーウェンはアビーに驚異を持っていた。
そして夜の時間、アビーと会話する方法を模索していた。
時代は1983年。携帯電話もパソコンも普及していない時代だった。
オーウェンは学校の授業中にモールス信号の資料を見て、それを覚えようとしていた。
学校ではいじめに合い、友達もいないオーウェンにとって、アビーはようやく友達になってくれそうな存在だった。

その日の夜、オーウェンはいつものように自宅のアパートの前にあるジャングルジムに向かった。
そこには既にアビーが居た。
そして、オーウェンは『君と僕のために書いた。』とモールス信号を書いた紙をアビーに渡した。
オーウェン『これで壁越しで話せる。』
アビーはそれを聞いて暗い顔をしていた。
そしてアビーはオーウェンに尋ねた。

アビー『声が聞こえるの?』
オーウェン『ほんの時々。』
アビー『この間の夜は?』
オーウェン『なぜパパは怒ったの?』

オーウェンとアビーは少しお互いの身の上話をした。
その途中アビーはオーウェンの頬に出来ていた傷に気付き、オーウェンに尋ねた。

アビー『どうしたの?』
オーウェン『学校でやられた。』
アビー『やり返さなきゃ。』
アビーはオーウェンの身を案じていた。

その日の夜、オーウェンとアビーは壁を叩きながらモールス信号で会話をした。

少ししてオーウェンはアビーが”普通の女の子ではない”ことを知る。
その時オーウェンは何を思うのか?
オーウェンの出した決断は…。

モールス(Let Me In)
© 2010 Fish Head Productions, LLC. All Rights Reserved.

映画モールス(Let Me In)を見た感想・レビュー

この映画『モールス(Let Me In)』も超おすすめ映画なのでおすすめします!
モールスは以前話題になった『ぼくのエリ 200歳の少女』のハリウッド・リメイク映画です。
元となった映画『ぼくのエリ 200歳の少女』も良かったけど、リメイクされたモールスもなかなか良かったです٩(๑`^´๑)۶
個人的にはヴァンパイア役の女の子?はこっちのモールスでアビーを演じているクロエ・グレース・モレッツの方が好きです(*´∀`*)

モールス(Let Me In)
© 2010 Fish Head Productions, LLC. All Rights Reserved.

この映画の日本版タイトルになっているモールスですが、主人公のオーウェンとヒロイン?のアビーが夜会話をする際に壁をノックする形のモールス信号で会話をします。

モールス信号って日本には全然馴染みのないものだから、何だかこういう外国の映画で見られると新鮮だしとても印象に残ります(*^^*)

この映画の見所は残酷でありながら儚い美しさをもったアビーという少女?の存在です。
モールスで描かれたヴァンパイアはよくあるヴァンパイアと同じような特徴で描かれながらもヴァンパイア、ヴァンパイアしてないというか、そこまでヴァンパイアを主張させてないというか…。
そこじゃないんですよね。
この映画から伝わってくるのは“ヴァンパイア”というよりも悲しい運命を受け止めて生きる一人の少女?の儚さのようなもので…。

モールス(Let Me In)
© 2010 Fish Head Productions, LLC. All Rights Reserved.

よくあるヴァンパイア映画のように手当たり次第人を襲って食事をするというようなことはありません。
普通の人間が食べるものを食べることが出来ず、人としての禁忌を犯すことでしか生きることが出来ないから密かに、そして遠慮がちに身を隠しながら食事をする。
どこか『東京喰種』を連想させられました。

寂しい世の中に当たり前のように存在しているような形で”吸血鬼”という描き方が他のどの映画にもない独特な描かれ方だったと思います。
その辺は元となった『ぼくのエリ 200歳の少女』も同じです。

ジャンルとしてはホラーでもなく、ヒューマンドラマでもなく、とはいえアクションでもなく…。
終始シリアスな雰囲気のサスペンス映画だと思います。

モールス(Let Me In)
© 2010 Fish Head Productions, LLC. All Rights Reserved.

これは『ぼくのエリ 200歳の少女』を見たときにも同じことを思ったのですが、2004年に日本でも上映された『コロンバイン高校銃乱射事件』をモチーフにした映画『エレファント』に似ていると思いました。
というか、上手く説明できませんが、何故か見終わったあとにエレファントを思い出しました。

物語の締めくくりの雰囲気が似ていたのか、見終わったあとに似たような気持ちになったのか…。
その理由はもう一度エレファントを見てみないと分かりません(><)

決して見終わったあとにほっこりしたような気分になるとかスッキリした気持ちになるとかじゃないけど、心に残る少しのモヤモヤが嫌な気持ちになるものじゃないし、むしろそれが少し心地よくも感じました。
僕の中で面白かったなって思うサスペンス映画って、見終わったあとに必ずそういった気持ちにさせてくれます(´・ω・`)

モールス(Let Me In)
© 2010 Fish Head Productions, LLC. All Rights Reserved.

こんなレビューじゃ『モールス見てみたい!!』とかならないかもしれないですけど、騙されたと思って見てみてください!
割と評価は高い映画だと思うし、見たら見たで僕の伝えたいことが少しだけ伝わるかもしれません٩(๑`^´๑)۶

とにかく見たことがないという人には本当におすすめの映画なので是非見てみてください!
ただ、あまりナイーブな気持ちの時には見ないほうが良いかもしれません(><)

モールス(Let Me In)
© 2010 Fish Head Productions, LLC. All Rights Reserved.

実際に見てみて少しでも面白かったなって共感してくれるなら是非コメントお願いします٩(๑`^´๑)۶

映画モールス(Let Me In)の見どころ

モールスで描かれた、これまでの形を変えてしまい兼ねないヴァンパイアの描き方

映画モールス(Let Me In)の監督や出演俳優について

映画タイトル

モールス(Let Me In)

映画モールス(Let Me In)の製作国

  • アメリカ
  • イギリス

映画モールス(Let Me In)のジャンル

映画モールス(Let Me In)のキャッチコピー

雪に閉ざされた町。隣に越してきた裸足の少女。残酷な連続猟奇殺人。僕たちだけの秘密の合図。アビー、君はいったい何ものなの?

映画モールス(Let Me In)を一言で例えるなら

凍てついた温かい心

映画モールス(Let Me In)の公開年

2011年

映画モールス(Let Me In)の監督

マット・リーヴス

映画モールス(Let Me In)の主要キャスト

  • コディ・スミット=マクフィー(オーウェン)
  • クロエ・グレース・モレッツ(アビー)
  • リチャード・ジェンキンス(トーマス)
  • カーラ・ブオノ(オーウェンの母)
  • イライアス・コティーズ(刑事)

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